【マンション管理費 区分所有法】共同の利益相反行為3

共同の利益相反行為についての具体例

今回は、共同の利益相反行為について、もう少し具体的に書いてみてほしいということもあるかと思って書いてみました。

 

・耐力壁の撤去、
・爆発物の持ち込み、
・住居専用使用と決めているのに事務所・店舗とする、
・廊下や階段室に私物を置く、
・勝手に自動車を停める、
・外壁やベランダに家庭教師の宣伝用看板を取り付ける、
・プライバシーの侵害、
・騒音、悪臭の発散

 

このあたりのことが、代表的な「共同の利益に反する行為」になります。

 

ただ、このほかにも、

 

・管理費・修繕積立金等の滞納が原因で、建物の修繕に重大な支障が生ずるような状況に至っている場合は、この滞納は、建物の管理に関し区分所有者の共同の利益に反する行為に当たります。

 

・占有者が野鳩に餌付けをして、飼育をしていて、他の居住者の迷惑になり、使用賃貸借契約の解除、占有者の退去、占有者に対する損害賠償請求が認められたこともあります。これも、「共同の利益に反する行為」にあたります。

 

・居住地域でのマンションの1階部分がカラオケ店舗で深夜の営業が禁止された。これは、すこし解説が必要ですが、要は、店舗と住居が混在するマンションで、店舗経営者が、住民との営業時間の約束を守らずに営業時間が短くされたということです。

 

・暴力団の組事務所の使用禁止、教団施設としての使用禁止等もあります。最近は、管理規約で、暴力団関係は事細かに使用禁止を規定していることが多いし、宅建業法でも、かなり厳しく規定されています。これも、当然、「共同の利益に反する行為」となります。

 

・マンションの区分所有者が,業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布し,マンションの防音工事等を受注した業者の業務を妨害するなどする行為は,それが単なる特定の個人に対するひぼう中傷等の域を超えるもので,それにより管理組合の業務の遂行や運営に支障が生ずるなどしてマンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には,区分所有法6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地があるという微妙なものもあります。

 

しかしながら、共同の利益に反するとしながらも、使用禁止は権利の濫用に当たるとして認められなかった例もあります。なので、裁判はケースバイケースなので、専門家の意見を聞くことが大切です。

 

まあ、マンション内のトラブルの第一位は、なんといっても「生活音」です。これは、個人の我慢等で解決できるものであれば、各居住者同士の話し合いで解決することもできるでしょうが、生活に必要な入浴やトイレでの排水音等はなかなか解決できない面もあったりします。

 

そのような場合には、マンション内のマナー等を再度見直し、お互いの生活を尊重した行動をとるように心がける等の呼びかけを行う等が大切かなと思われます。

 

いずれにしても、上記に挙げた例は「共同の利益に反する行為」になりますので、管理組合の役員は、ご認識していただきたいと思います。

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