【マンション管理費、滞納】時効成立で注意すべきポイント。
マンション管理費には、時効が存在する。
マンションの管理費は、毎月の支払なので、ほんの数か月滞納しただけで、すぐに数十万円になってしまいます。なので、管理組合としては、これを何とか正常な形に戻すために、全額をまとめて回収しようと努力するわけであります。
しかし、なかなか話がまとまらず、ずるずる時間が経過してしまい。気が付いたら時効の期限が迫っていた。そんなとき、時効を中断させる行為を行わなければ、管理組合が滞納者に対して持っている請求権が消滅してしまう消滅時効が成立してしまうのであります。
マンション管理費はその発生日から5年を経過すると時効が成立します。
むろん、滞納者が援用するのが前提です。援用とは、「時効を成立させてください」と滞納者が認めることです。世の中には、律儀な人もいるので、時効が成立しても、「いや、私は払います」という人もいるので、(援用しない人)そういう人は時効が成立しません。
毎月の管理費ごとに時効がやってくる。
ただし、注意しなければならないことは、時効が成立するのは、滞納額全体ではなく、5年を経過したその月の管理費だけ時効になるということです。
つまり、2015/10/1に支払期日が到来した管理費を、2020/10/1まで、何もしないと、時効が成立するのであります。でも、2015/11/1の分は、2020/10/1の時点では、時効が成立しているわけではないということです。
毎月ごとに時効が発生するわけですので、全部、時効で回収できないと早とちりしないことが大切であります。
消滅時効を発生させないためには
消滅時効が発生すると、その金銭債権に関して、滞納者に請求できなくなります。
そうさせないためには、時効を中断させなければなりません。そのためには、「請求、承認、差押」の三つの方法がありますが、基本的には、請求か承認のどちらかで行うことになります。
請求するとは、具体的には、訴訟を起こすことであります。以前のブログでの書きましたが、法的手段を行使することであります。つまり、「少額訴訟」「支払督促」「民事調停」を起こすことであります。
承認させるとは、債権の存在を相手に認めさせることです。むろん、書面で認めさせます。方法は、以前のブログを確認してください。
請求か承認かで、時効を中断させるのでありますが、おそらく、管理費支払いを5年もしていない滞納者に書面で、承認を迫っても、人間関係が成立していなければ、サインをもらえるとは思えないので、承認の方法は、あまり有効ではないかもしれません。
結局、法的手段を行使しないといけないかもしれません。
ということで、滞納者も管理組合も、滞納額が小さいうちに法的手段に出ることが大切かなと思うのであります。