【マンション管理費 時効】時効の中断方法その2
時効の中断方法について
管理組合が、滞納管理者に対して時効を中断しようと考えた場合、 前回のブログでお示ししたように、配達証明付き内容証明郵便で催告を行い、その後法的手段を実行する。という方法があると言いましたが、今回はより簡便な方法により、時効を中断する方法をお伝えしたいと思います。
それは、滞納組合員が債務を「承認」した場合 であります。「 承認」した場合、時効は中断し、「承認」の時点から5年間の時効期間がスタートします。
したがって、催告と合わせ、滞納組合員から「〇年〇月分の管理費等につき〇〇円の滞納があることを認める」旨の書面を提出してもらうよう働きかけることも検討すべきでしょう。
また、合意書を取り交わしたり、公正証書を作成した場合も、この債務の承認に該当します。
以上のことを踏まえ、支払い期限から間もなく5年が経過しようとする滞納管理費等がある場合には、次のような対応が考えられます。
① まずは配達証明付き内容証明郵便で催告(督促)を行います 。(時効完成はとりあえず6ヶ月先延ばしになります)。
② 滞納組合員から、滞納管理費等の債務が存在することの確認書的なものを出してもらうよう働きかけます(これにより時効は中断し改めて5年間の時効期限がスタートします)。
③ その上で、支払督促や少額訴訟・通常訴訟の提起、民事調停の申し立てなどの法的手続きを選択します。
見てきた通り、この債務の承認と言う、時効中断方法は、最も簡便な方法であり、コストも最も安く抑えることができます。
ただし、管理組合の役員と滞納債務者との人間関係が崩壊した状態では、滞納債務者は管理組合役員との面談を拒否し、当然、書面の承認も行わないと考えられます。なので、最も大切なのは、滞納債務者との人間関係をいかに構築するかがとても大きい要因となります。
人間関係は、法的手段を実施し、判決を得たとしても、結局のところ、滞納債務者とは何らかの形で向かい合わなければならず、 必ず必要になるものであります。
いろいろと時間とコストをかけて、様々な法的手段を行ってきても、話し合いもできないようでは、何もできません。それよりも、人間関係だけしっかりしておけば、意外に解決の方法はあるものです。
なので、権利の主張も大切なことと思いますが、まずは、相手の立場に立って、歩み寄ることが、大切だと思います。