【マンション管理費 滞納2】誰が訴訟を起こすのか?
理事長が一般的
国土交通省のマンション標準管理規約には、第60条(管理費等の徴収)4項、「理事長は、未納の管理費等および使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。」となっております。
でも、この国土交通省のマンション標準管理規約を使用していなくても、規約の中に理事長が訴訟追行権をもって訴訟を追行することができるとする規約があれば、理事会の承認があれば可能です。
しかしながら、このような規約がない管理組合の管理規約をお使いの管理組合様は、訴訟に際しては、区分所有法に従うことになります。
建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という)の第26条(権限)4項「管理者は、規約または集会の決議により、その職務(第2項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために原告又は被告になることができる。」となっています。
つまり、規約で、理事長が訴訟を起こす場合、国土交通省のマンション標準管理規約には、第60条(管理費等の徴収)4項、または、それに類似する項目の規約がない場合は、臨時の総会で、訴訟を行うことを決めなければならないということになります。
いつ、どこまで書くのか
そして、次に問題になることは、総会の議案として、どこまで詳細に書くかということであります。
総会は、通常総会と臨時総会がありますが、いずれにしても、議題で訴訟の提起を書かないといけないとすると、どこまで書くのかが問題になります。
私の個人的な意見では、一応、部屋番号程度(区分所有者が自ら自発的に調べれば判明する程度)にして、どの程度滞納しているのか(何か月滞納)を明確にして、議案にかけるのが大切だと思われます。
滞納している区分所有者も総会での議決権を持っていますから、当然総会への参加もできます。なので、あまり面と向かって罵倒するような態度は、少々どうかな?と思うのであります。さらには、いつ相手の立場になるかもわからないわけですから、プライバシーを守ったデリカシーが必要なのではないかと思われます。
また、総会の開催時期ですが、私は、絶対に訴訟前に総会を開かなければならないかは、難しいかなと思います。先ほどの区分所有法では、原告被告になることができるといっているだけで、総会で承認された後でないとダメといっているわけではないので、多少、訴訟が先行して行われても問題は起きないと思われます。ただ、ここで話しているのは規約に理事長の訴訟追行権が記載されていない管理組合様の場合ですので、注意してください。
ただ、あまり時間を大きく開けてしまうのもタイミングを逃すことにもなりますし、訴訟前に総会をするのは、相手に対して「訴訟しますよ」と警告を発して、時間的余裕を与えてしまい、反論のチャンスを与えてしまうこともあるので、総会の時期は難しいと思います。
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