【マンション管理費 滞納2】弁済の充当
弁済の順位
細かいことですが、返済を受ける場合は、さらに注意が必要になります。
例えば、区分所有者Aが①1月分の管理費等30,000円と②2月分の管理費等30,000円の合計60,000円を滞納しているとします。
少し払える金ができたので、Aが40,000円を管理組合に支払った場合、60,000円全額の弁済には足りないので、充当(指定充当)の問題が生じます。
その際は、まず、①または②のどちらに充当するかをAが指定できます。もしAが充当の指定をしない場合には、管理組合が指定することができます(ただし、管理組合が指定した後、Aが直ちに異議を述べた場合には、Aの指定によります)。
法律的には、指定充当といいますが、弁済するもの及び弁済を受領するもののどちらかも弁済の充当の指定をしないときは、その弁済の順序は法律で決まっています。
- 債務の中に、弁済期にあるものと弁済期にないのとがあるときは、弁済期にあるものから先に充当する。
- 全ての債務が弁済期にあるとき、または弁済期にないときは、債務者にとって弁済の利益が大きいものから充当する。
- 債務者にとって弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの、または先に到来すべきものから充当する。
2.の「弁済に利益」および3.の「弁済期」が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。
となっています。さらには、元本・利息・費用を支払うべき場合は、弁済するものがその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、①費用、②利息、③元本の順に充当しなければならないということになっています。
まあ、管理費等の滞納に対する遅延損害金の問題はまた後で話します。
ここで、全額を回収できない場合は、どう考えればいいのかを説明しました。
まあ、回収にも一定のテクニックが必要ということであります。具体的にはご相談ください。