【マンション管理費 滞納2】管理費等の滞納(延滞)について

24.8%

国交省による「平成30年度マンション総合調査結果報告書」によると管理費等の滞納については、「管理費・修繕積立金を3ヶ月以上滞納している住戸があるマンションは 24.8%である。 また、完成年次別では、築年数が古いマンションの方が割合が高くなる傾向である。」とのことであります。また、これも国交省で発表しているマンションストック戸数は約665.5万戸(令和元年末時点)となっております。なので、かなりの数のマンションで滞納が起きていることになります。

 

それほど多くの延滞が発生しているということは、それだけマンションの改修工事等が遅れることを意味すると思われます。そうなると、マンションの価値は自然に低下していくことになります。むろん、目に見えて減少することはないですが、徐々に徐々に進行していくのであります。

 

なので、とにかく管理組合としては、延滞を回収しなければ、マンションの価値がどんどん低下していくわけで、全員の財産を毀損させる行為である延滞をとにかく回収することが、価値の減少を防ぐ最大の防衛策なのである。また、管理組合の区分所有者に対する責任であるといえるのである。

 

滞納しても権利は不変

本来、延滞しているということは、管理費等の現金が入ってこないので、修繕積立金は積みあがらないし、管理費は支払われないはずですが、会計的には、発生主義の原則から、支払われなくても、支払ったものとして処理するのであります。支払われなかったものは、未払金として資産に計上するのがルールです。

 

つまり、未払いなだけであって、延滞者分も修繕積立金は積みあがっていくし、管理費もちゃんと払ったことになっているのであります。ただし、未払いなので、現金はないから、他の区分所有者が立替えて支払っていることになっているようなものということです。

 

もちろん、滞納(延滞)していても、権利の移動は全くない。管理組合の総会での議決権に変更はないし、共用部分の持分に変化が生じることもない。土地の持分も減少しないし、エレベーターが使えなくなるわけではない。なんといっても、会計的には支払っているのです。ただ、現金は支払っていないだけで、未払いになっているということであります。

 

現金がなくて、修繕が進まず、みすぼらしい外壁になっていようが、雨漏りの防水工事ができないでいようが、悪いのは修繕をしない管理組合であり、区分所有者の立場は、法的には変化はないのであります。

 

問題は、管理組合にあり、管理等の回収義務は永遠に管理組合に残り、区分所有者が変化しようが、その延滞分の改修を図らなければならないのであります。仮に、消滅時効が発生してしまった場合でも、管理組合を構成するメンバーは区分所有者なので、その区分所有が負担することになるので、問題は永遠に残ることになるのであります。

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