【マンション管理費、滞納】督促の方法。注意すべき項目、まとめ。
訴訟だけで終了ではない。
前回のブログでは、法的手段は3つあるということを言いました。裁判も自分でやりましょうとも書きました。そして、晴れて、勝訴を獲得したとしましょう。
でも、これで終わりではないのが、厳しいところであります。この勝訴は、まだ始まりに過ぎないのです。管理組合は滞納者から、滞納している管理を回収する権利を与えられたにすぎないのであります。
その権利を実行するのが、強制執行です。よく言われるのが、「競売」です。
この競売は、強制執行のやり方のひとつにすぎません。他にもやり方はあるのです。
どうする「強制執行」
強制執行の目的は、自らの金銭債権である滞納管理費を回収することであります。その目的を達成するためには、果たして競売が最善の策なのかを判断する必要があるのです。
強制執行できるものは、3つあります。被告の持っている不動産、動産、債権であります。
まあ、被告の不動産で分かっているものは、マンションなので、それに対して強制執行をかけることが多いので、それを競売ということが多いというだけであります。もちろん、被告は他にも不動産を持っているかもしれませんが、原告である管理組合はそれを特定できないので、なかなか強制執行できないということであります。
そのほかには、動産(自動車等)、債権(給料)もあります。特定できれば、それらにも強制執行することができます。
ただ、給料に対して強制執行する場合は、様々な制約がありますので、注意が必要です。
まあ、強制執行を実際に実行する際は、弁護士や地元の司法書士に相談することをお勧めします。
回収できるかは、ローン次第。
ということで、強制執行することになるわけですが、管理費を回収できるかは、住宅ローンの残高にかかっているのであります。
仮に、競売を行っても、住宅ローン等で抵当権が設定されている場合は、そちらの債権の返済が優先されますので、そのローンの返済後の残高で、管理費が返済できるかということになります。
競売金額によっては、ローンの返済もできない場合もあります。そんなときは、今までの苦労も水の泡です。でも、それはそれとしてまた、新たな希望があるのです。
頭を切り替える。
競売しても、管理費は回収できないということになっても、しょうがないことと割り切ることが大切です。なぜかというと、前にも説明しましたが、滞納管理費は、新たな区分所有者にも請求できるからであります。
競売にあたっては、「配当請求」を行っておけば、確実に、競落人は、管理費が滞納されていることが、分かりますから、支払わなければならないことを熟知しているので、支払をしてくれる可能性が高いと思われます。
なので、競売で管理費が回収されなくても、絶望することはなく。かえって、回収可能性が増加する場合もあるときことです。
以上、いろいろ書いてきましたが、回収までは長い道ですが、いろいろやっているうちに、滞納者がお金を工面してくれて、返済してくれることもあるかもしれないです。また、「強制執行するぞ」と交渉材料に使って、何とか資金を用意させるとか、競売ではなく、より有利な任意売却ができるようになったりとか、様々なことが起きる可能性は大いにありますので、管理組合の理事の方々はあきらめずに頑張っていただきたいと思います。