【マンションライフ】マンションのコスト構造
コストは?
前回のブログの話は、マンションのメンテナンスコストは、建物のコストとほぼ同じだけかかるという話でしたよね。では。より具体的に見ていきましょう。
仮に、新築のマンションを新規に購入したとしましょう。
価格は40百万円。
デベロッパーのコストが参考になると思われますが、大体、土地のコストが20%程度、後は建物のコストということになります。要するに、80%は建物のコストということになります。32百万円は建物にコストが割り当てられることになります。
そして、ご存じの通り。土地は減価償却しないので、コスト的には変化しません。(もちろん、市況によって現在価格は変化します)
建物はコンクリートの寿命である65年間をかけて少しずつ減価していきます。(税法的には47年間でゼロに向かって減価していきます。)
何もしなければ、コンクリートより先に耐用年数を迎える塗装や防水から劣化していくので、建物は15年もすれば、大分劣化します。
そうなると、区分所有者全員が自らの財産が毀損するので、それを防ぐために、大規模修繕工事を行ったりするわけであります。
まあ、大規模修繕工事に関しては、また、いつか改めてご説明します。
コストの内訳
で、建物が32百万円は分かりましたが、マンションは、建物のコストにも区分があるのです。
まあ、普通に考えてみればすぐにわかるのですが、皆様方は、自分が購入した部屋の価格が40百万円として、土地代8百万円で建物が32百万円です。でも、建物は、あなたの部屋だけで構成されているわけではなく、エントランスがあって、エレベーターに乗って、廊下を歩いて、我が家に入るわけです。我が家の部分ができるまでには、それ以外の付属物がいかに多いことか!
で、我が家に入って気が付くのは、その設備は一体何?キッチン、風呂、トイレ、湯沸し器なんかの設備類はあるけれど、それだけで32百万円はしないよなと。
そうなのです。あなたが支払った32百万円のほとんどが、あなたの部屋以外の部分に支払ったといっても過言でないほど、自室以外の部分に支払った部分が多いのです。
マンションの法律である区分所有法では、マンションの建物は、自分の部屋のことを「専有部分」といい、それ以外部分を「共用部分」といいます。
で、その専有部分は細かく規定されていて、とても範囲としては狭いのです。窓は共用部分です。バルコニーも共用部分です。玄関も内側は専用部分ですが、外側は共用部分です(カギは専用部分です)。壁は、壁紙は専有部分ですが、それをはがすと、共用部分です。室内にある梁柱は当然共用部分です。専用部分は自由に使ってよいのですが、こうやって考えると意外に狭いもののように感じられます。
つまり、マンションとは、共用部分の塊であり、建物の価値はこの共用部分がいかにメンテされているかにかかっているのであるといえるのです。
で、共用部分は区分所有者全員のものです。だから、自室の柱が邪魔だと言って取り除くことはできません。廊下にモノを置くことはできません。ましてやバルコニーを区切って部屋に改造するなんて言うこともできません。
でも、自分の部屋の柱があるから、最上階の部屋が存在することができて、最上階の部屋がすばらしいから、一階の人の部屋の価値も上昇している面もあるのです。要は、お互い様なのです。皆、区分所有者のみならず、そこに生活するもの全員が協力し合って生きていくのがマンションという現代の長屋の生活なのです。